灯台めぐりPart2


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  犬吠埼灯台 (千葉県銚子市)



 太平洋の荒波が打ち寄せる関東地方の最東端に位置する灯台で、僕は3度訪れています。
 200円(2018年現在)で内部見学ができ、99段の螺旋階段を登って外に出ると太平洋を一望でき、地球が丸く見えます。
 白色、円形、煉瓦造。灯質は単閃白光、毎15秒に1閃光。光達距離は19.5海里(約36キロ)。高さは地上から頂部が31.3メートル、水面から灯火までが51.8メートル。初点灯は明治7年11月15日。英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計によるもので、当時の姿を今にとどめ、「世界の灯台100選」にも選ばれています。
 なお、この灯台には圧搾空気を利用したエアーサイレン方式の霧信号所(いわゆる霧笛)が併設され、霧の日には30秒を隔てて5秒間吹鳴されまていましたが、2008年3月末で廃止されています。

 (日本の灯台50選 世界の灯台100選)

 訪問記20180818


  長崎鼻一ノ島照射燈 (千葉県銚子市)

  

 千葉県銚子市の犬吠埼の南に突き出た岬が長崎鼻です。犬吠埼から見ると、灯台のようなものが立っていて、気になったので訪ねてみました。銚子市の最南端にあたる長崎鼻の周囲は岩礁に囲まれています。その沖合にある一ノ島を光で照らし、船にその存在を知らせるのが一ノ島照射燈です。白色、円形の塔で、灯質は不動白光。上部の窓から夜通し一点を照らし続けます。
 地面から頂部まで21メートル、水面から灯火まで23メートル。初点灯は1955年4月です。
 2018年8月に訪れましたが、あたりに誰もおらず、そのちょっと寂しい雰囲気がよかったです。

 訪問記20180818


  太東埼灯台 (千葉県岬町)



 2005年1月に外房線太東駅から歩いて訪れました。犬吠埼のような観光地ではないですが、眺めはよく、海岸散策も楽しめます。太平洋を望む岬には白い水仙がたくさん咲いていました。
 白色、塔形、コンクリート造の灯台で、灯質は単閃白光、毎10秒に1閃光。光達距離は22海里(約41キロ)。高さは地上から頂部までが15.9メートル、水面から灯火までが72メートルです。
 この灯台は終戦後に地元の太東村が設置した灯台が前身で、昭和25年に国に移管されたのを機に改築、昭和27年5月に太東埼灯台としてデビューしました。
 その後、海岸の浸食により大規模な崖崩れが発生したため、昭和47年2月に現在地に移設されました。



  勝浦灯台 (千葉県勝浦市)



 僕にとって初めての自転車旅行だった1995年夏の房総半島ツーリングで訪れた灯台です。静かな海辺から素掘りのトンネルをくぐり抜けたりしながら急な坂道をぐいぐい登っていくと、生い茂る木々の緑が輝く岬の高台に白亜の灯台が現われたのでした。真っ青な海を眺めながら、緑の中を走る爽快感を今でも思い出します。
 白色、八角形、コンクリート造の灯台で、灯質は群閃白光、毎22秒を隔てて8秒間に2閃光。光達距離は22海里(約41キロ)。高さは地上から頂部が21.2メートル、水面から灯火までが71メートル。



  野島埼灯台 (千葉県白浜町)



 これも1995年夏のツーリングで訪れた灯台。房総半島最南端に位置する灯台です。旅に出て3日目。自転車でこんなに遠くまで来てしまったか、となんだか信じられない気分になったものです。
 明治2年12月8日初点灯という歴史の古い灯台で、関東大震災で倒壊し、大正14年に再建されました。
 白色、八角形、コンクリート造。灯質は単閃白光、毎20秒に1閃光。光達距離は17海里。高さは地上から頂部までが29メートル、水面から灯火までが38メートルです。
 150円で内部見学可能。

 (日本の灯台50選)




  洲崎灯台 (千葉県館山市)



 ここもまた1995年夏のツーリングで訪れました。岬の集落でお葬式があったらしく、灯台下は喪服姿の人ばかりで、短パンTシャツ姿の僕はなんだか気まずい思いをしました。
 房総半島最西端に位置し、この灯台と対岸の三浦半島剱埼灯台を結ぶラインの内側が東京湾となります。
 大正8年12月15日初点灯の灯台で、白色、円形、コンクリート造。灯質は閃赤白互光、毎15秒を隔てて交互に赤白1閃光。これは川崎発宮崎行きのフェリー上から確認しました。
 光達距離は18.5海里。高さは地上から頂部が14.8メートル、水面から灯火までが45.1メートルです。


  江ノ島展望灯台 (神奈川県藤沢市)

 

 湘南・江ノ島の頂上、標高およそ60メートルのサムエル・コッキング苑内にある民間の展望灯台です。
 この場所は明治2年に来日したイギリスの貿易商コッキングが和洋折衷の大庭園を造ったところです。庭園は関東大震災などで荒廃しましたが、その後、昭和24年に江ノ島植物園が開設され、さらに平成15年には灯台の建て替えとあわせて再整備されて「サムエル・コッキング苑」として生まれ変わりました。この時、昔の温室の遺構が発掘されています。
 その苑内にそびえる展望灯台は鉄骨造り、逆円錐形の姿で、平成16年1月から旧灯台に替わって運用を開始されました。エレベーターで展望台に上がれば、下の写真のように富士山や箱根、丹沢の山々、伊豆半島、伊豆大島などの展望が楽しめます。最近、訪れた時は大変風が強く、灯台全体がゆらゆら揺れて船にでも乗っているような気分でした。
 高さは地上から避雷針頂部までが59.8メートル(海抜119.6メートル)、灯台部までが46.8メートル(海抜106.6メートル)、展望フロアの高さは41.75メートル(海抜101.56メートル)、水面から灯火までは107.2メートルです。
 灯質は単閃白光、毎10秒に1閃光。光達距離は46キロで、これは民間灯台としては国内最大級ということです。

 灯台昇塔料はコッキング苑入苑料込みで500円。

(灯台からの眺め)



  湘南港灯台 (神奈川県藤沢市)



 江ノ島のヨットハーバーがある湘南港の灯台です。ここには船の甲板を思わせるテラスがあり、サイクリングで訪れた時などは必ず立ち寄るお気に入りの場所です。
 白色、塔形のすらりとした灯台です。灯質は等明暗緑光、明2秒暗2秒。つまり2秒間隔で緑色の光が2秒間点灯します。夜の海辺を走る江ノ電の車中より確認しました。
 光達距離は12海里。高さは地上から灯火が18.2メートル、水面から灯火が19メートルです。


  観音埼灯台 (神奈川県横須賀市)



 三浦半島の東端に位置し、東京湾の出入り口にあたり世界有数の過密航路である浦賀水道を航行する船舶を見守るのが観音埼灯台で、日本最古の洋式灯台でもあります。初点灯は明治2年1月1日。フランス人技師フランソワ・レオンス・ヴェルニーの指導の下、建設されたフランス風のレンガ造りでしたが、大正11年の地震により倒壊し、翌年、再建されたものの、半年後に関東大震災で再び倒壊。現在の3代目は大正14年6月1日の再建で、白亜の八角形コンクリート造りです。
 地上から頂部までの高さは19メートル、平均海面から灯火までは56メートル、地上から灯火までは15メートルです。
 灯質は群閃白光、毎15秒に2閃光。光度77,000カンデラ、光達距離は19海里(約35キロ)です。
 海岸からタブなどの照葉樹が生い茂る自然林の中を登った高台にあり、東京湾や房総半島を見渡すことができます。内部見学もできます。
 近くには航行船舶の管制などを行う東京湾海上交通センターがあります。

 (日本の灯台50選)


  剱埼灯台 (神奈川県三浦市)

 

 剱埼(つるぎさき)灯台は三浦半島東南端に位置する剱埼の突端に立つ灯台で、周辺の風景や環境も含め首都圏の灯台の中でも好きな灯台です。この灯台と対岸の房総半島西端・洲崎灯台(千葉県館山市)を結ぶラインの内側が東京湾となります。
 幕末に江戸幕府が米英仏蘭の4カ国と建設を約束した灯台のひとつで、犬吠埼灯台と同じ英国人技師リチャード・ヘンリー・ブラントンの設計により、明治4年に完成しました。白い壁に埋め込まれたプレートには初点灯日が日英両語で併記され「ILLUMINATED 1st MARCH 1871 明治四年辛羊正月十一日初點」となっています。英語と日本語で日付が違うのは、当時の日本がまだ旧暦だったせいです。
 当時の石造りの灯台は関東大震災で倒壊し、現在のものは大正14年7月に再建された八角形のコンクリート造り。高さは地上から頂部までが16.9メートル、海面から灯火までは41.1メートル。灯質は「群閃白緑互光」で毎30秒に白2閃光、緑1閃光です。これは川崎発宮崎行のフェリーに乗船した際に確認しました。光達距離は白光が17海里(約31キロ)、緑光が18海里(約33キロ)とのこと。

 訪問記19970505 訪問記20140413


  城ヶ島灯台  (神奈川県三浦市)



 三浦半島最南端の城ヶ島にある灯台です。古くから海上交通の要所であり、江戸時代には烽火台が置かれ、明治時代に入ると観音埼灯台と同じヴェルニーの設計による煉瓦造りの洋式灯台が建設され、明治3年9月8日に初点灯しています。この灯台は関東大震災で倒壊し、大正14年に再建された2代目が現在の灯台です。
 白色、円形、コンクリート造りで、地上から頂部まで11.5メートル、平均海面から灯火までが30.1メートル。灯質は単閃白光、毎15秒に1閃光です。これは夜の船上から確認しました。光達距離は15海里(約28キロ)です。
 自転車ツーリングで訪れましたが、自宅から城ヶ島までちょうど100キロでした。

 訪問記19970505


  伊豆大瀬埼灯台 (静岡県沼津市)

 

 大瀬崎は伊豆半島の西海岸北端に伸びた砂州・大瀬崎に位置する灯台です。
 一説による、白鳳13(684)年に発生した大地震により海底が隆起してできた島(琵琶島)が、その後、潮流の影響で形成された砂州により陸繋島となったのが大瀬崎だといいます。岬は大瀬崎神社の神域となっていて、淡水の神池があったり、樹齢千年を超える針葉樹のビャクシンが自生していたりして、厳かな雰囲気ですが、その先端近くの海岸に灯台があります。上部ほど細くなるスラリとした円筒形で、目の前に広がる駿河湾の対岸には富士山や南アルプスが聳える絶景の地にある灯台です。
 地面から頂部まで13メートル、海面から灯火まで16メートルです。灯質は群閃白光、毎13秒に3閃光。光達距離は12海里。初点灯は1957年11月。神社の神域内にあるので、灯台をみるには拝観料が必要です。

(大瀬崎)

 訪問記20090509


  戸田灯台 (静岡県沼津市)



 伊豆半島西海岸の戸田は大瀬崎と同様に駿河湾に突き出た砂州に囲まれた小さな湾に面した港町です。その岬に外海に面して戸田灯台があります。海の彼方に富士山を望む絶景灯台です。
 白色塔形で、高さは地面から頂部が12メートル、海面から灯火までは17メートルです。灯質は等明暗白光、明3秒暗3秒、光達距離は11海里。初点灯は1952年2月です。
 上の大瀬崎と同じ日に自転車ツーリングで訪れました。沼津駅からスタートし、戸田までの海岸風景は絶景の連続で感動しましたが、戸田から修善寺へ抜ける峠越えは死ぬほどきつかったです。

 訪問記20090509

 


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